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プロローグ

 



 その者、永劫を流離い、那由他の果てまで戦い往く。


 幾多の戦野を駆け抜け、己が利を求めず、人の道より外れし者を打ち滅ぼさん。


 その者、感情なき神奪者。


 女神スオメタリアの忘れ形見にして比類なき刃。ただ一人よりなる常勝の軍勢。


 その胸を埋めるは亡き女神への忠誠。


 在りし日に交わされし盟約の下、報われぬ者たちをただ助けん。


 その瞳に宿るは万事を見極める堅固なる意思。


 されどその者、神を殺めし非情なる刃。多くを助けるも、神敵となりて現世を彷徨わん。




                          エルゼリア記 第四章 永劫の剣士より抜粋。

 

 

 

 

 

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