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ほんまもん和牛  肴家 ひらり

 

 電話番号      050-5868-0895
 住所        京都府京都市中京区備前島町309-4
 営業時間      17:00~23:00
 定休日       水曜日

 席数        19席 (カウンター6席、テーブル13席)


           京阪本線三条駅から徒歩10分弱

 


店外の様子

 

 極めて分かり難い立地にある焼肉屋です。狐も一度は迷いました河原町の通りからだと胡散臭い小林なんちゃらの占いの館?みたいな看板が微妙に目印になります。ある意味、それが一見さんの足を遠ざけているのでしょうが。細い路地に入れば提灯が出ているので直ぐに分かります。そして近所のコーヒー店の「心はいつもフラメンコ」という謎看板。

 

 店内の様子を窺いにくい窓ガラスですが、この隠れ家な感じがたまりません。最近、TVで紹介されたと風の噂で聞きましたが、紹介されても辿り着けない人は少なくないだろうなと思える程に隠れています。逆の通路からであれば土佐稲荷を祀っている岬神社があります。王将も目印として良いかも知れません。

 

一応、下の画像がお店周辺の写真です。全て王将側からの通路ですね。胡散臭い小林なんちゃらの占いの館?側は、いかにも行き止まりな柵もあって難易度が高いのでお勧めできません。

 

店内の様子

 

 

でも、入店して見ると……

 

 

 背中に「鯨食べておっきくなった僕ですが君たちは牛ですか」という僻みの文字が入ったTシャツを着ている大将が待ち受けております。いや、何なんでしょうね? 入店する前も後も突っ込みどころに困らない焼肉屋です。

 

 

 

 

 

 

京都円波牛 サーロインステーキ

 

 ランチメニュー 訪れた際にたまたま出会った。本来は置いていないらしい。

 

 溢れ出る肉汁に、和風のタレが牛肉特有のしつこさを軽減する。しかし、しつこくても大いに結構と思わせるだけの上質な脂の奔流が噛み締める度に訪れます。調理中ですらカウンターに脂が溶け、旨味が溢れる匂いが漂って堪りません。理屈ではない味わいです。肉の下に敷かれたもやしですら肉の脂をたっぷりと吸っているために食欲を削ぐことはありません。

 

 セットで御飯にサラダ、味噌汁に漬物と充実しております。

 

 セット込みで三〇〇〇円! 安い! 凄く安い!……とは言えませんが、自分としては十分に満足できる一品でした。


 厳選黒毛和牛A5 ランチステーキ

 

 こちらは御手頃なランチステーキです。溢れる肉汁に和風のタレが牛肉特有のしつこさを軽減する……というのは似ていますが、肉質では一歩譲ります。柔らかさは近いものの、脂の甘みや肉汁の旨味が少し負けていますね。逆に言うと、明確に差が分かる程に隔絶した差を持つということになります。驚く程にお肉の差を経験できます。無論、こちらでもそこいらのランチステーキなどとは桁違いのものですね。お試しください。

 

 

 


 

 はしっこ丼

 

 

 美味い安いガツガツと食える一品。前のランチステーキのように肉汁が出る訳ではありませんが、赤身としての旨味は負けておりません。野菜と一緒に一気呵成に流し込むのだ。いや、気が付いたらなくなってますから。時間がない時はこちらを注文だ。

 

 



さて、ここからが本番だ。

 

 この店は近江牛に伊万里牛、佐賀牛、円波牛、鹿児島黒牛、信州和牛など日本各地の名牛をいただけます。

 ちょこっと盛合わせ

 

 最初に紹介するのは、取り敢えず迷ったらこれをという一品。幾つかの部位をいただけるのですが、わさびを使ったりもできて見た目ほどに重さを感じません。一人焼肉の際は、これと御飯だけで満足してしまいかねないものがありますね。


和牛 カルビ トロトロすじ  和牛 赤身のネギ炙り  和牛 上カルビ

和牛 ハラミとタンホルモン  和牛 三角バラ

 

 安定の和牛です。世界に冠たる牛の王様です。

 

 ちなみに一番のオススメは三角バラ。溢れ出る肉汁と驚異の柔らかさ。一緒にわさびで脂を和らげることもできて二つの楽しみ方があります。目の前で七輪で焼くこともあって雰囲気は抜群で、脂が滴り炭火で焦げる音を聞きながら口に運ぶ訳です。赤身はさっと軽く焼き、ホルモンはじっくりと焼くのが良いですね。鉄板と違い金網なので、肉汁が落ちすぎてしまうので、焼きすぎは良くない。

近江牛 タン元サイコロ  

近江牛 ホソ、ウルテ、コリコリ、アギ、ミノ、アカセン、レバー

近江牛 天肉  近江牛 丸腸

 タン元サイコロはオススメです。厚く切られている上に肉の風味が強く、赤身の部位であるかの様に錯覚を受ける程の味わいです。ホルモンとは切り離して考えるべきかと。でも二五〇〇円って……なかなか注文できるものではありません。ちなみに、他の店でもタン元というのはたまに見かけますが、明らかに別格です。タンの枠には収まらないものがあります。ちなみにタン元とはタンの根元だそうです。実はタンだけでも厳密には三つの部位に分かれるんですよ。別々に食べると味も歯触りも変化があって楽しいです。

 

 しかし、近江牛のホルモンなどは意外と見かけないので珍しいですね。現地では焼肉屋に行ってもホルモンだけは近江牛でなかったりすることも多いです。ちなみに旨味が違いますね。当然、焼いても縮まないです。

 

 この店のお肉全体に言えることですが、肉汁が凄い。

  近江牛 炙り寿司

 

 甘めのタレが肉汁と混ざり合う美味さに、噛み締めた後に続くシャリの酸味が溜まりません。炙り寿司というのは他でも見ますが、これ程までに凝ったものは、そうそう見かけませんね。甘めのタレがとにかく合う。味覚を包み込む様な甘みで、肉汁と混ざり合って旨味が増す。そんな印象です。


 タン塩  厚切りタン  辛口MIXホルモン  

 茨城県産   幻の豚 梅山豚(メイシャントン)

  岩手県産 ほろほろ鶏

 他にも色々とあります。おっと、そろそろ語彙が限界だとか言わない。一品ずつ紹介したいところですが、それだとキリがないので割愛です。ですが、他ではあまり見ないものが多いですね。特に梅山豚(メイシャントン)とほろほろ鶏はお勧めです。牛肉よりも滴る脂が炭火で炙られて盛んにパチパチと音は食欲をそそります。

京都産 新たけのこ   キムチーズ   キムチと九条葱キムチと玉葱キムチ

キノコのガーリックバター   ガーリックチャーハン

 たけのこ焼くのに時間が掛かった……七輪を派手に占有して大変でした。時期次第ですが、新鮮な為か薫りが強い印象を受けました。炙ると仄かに木の香りがします。皮の所為か?

 

 九条葱や玉葱のキムチというのは珍しいですね。しかし、一斉に注文すると結構な量になりますので注意が必要です。カルビなどに巻いて食べると酸味で脂が軽減されて食が進みますね。体重計の針も進みます。

黒毛和牛 ワンタン麺 

  

黒毛和牛 だし茶漬け  

 

肉山椒ごはん

 

 

 

 意外とラーメンに拘っているとか何処かで聞いた様な……しかし、食べすぎてここまでこれる猛者はそうそういないと確信しております。ちなみに私はだし茶漬けがお勧めです。わさびの風味と濃い目のだしで口の中をさっぱりできますし、気分が重苦しくなるのを防いでくれます。肉山椒ごはんはピリリとした辛さと鼻に抜ける様な薫りが、肉の風味を一緒に運んでくれて美味しいのですが……焼肉を食べた後には食べられない(笑


 

伊根満開 古代米

 

 

 

 意外と日本酒も品揃えがあります。焼肉屋としては珍しいのではないでしょうか。特に面白いと感じたのは上記の伊根満開です。日本酒を推している料理屋でもあまり目にしない一本ですが、焼肉屋で目撃すると言うのは珍しい。他にも地酒を中心に色々とあります。焼肉と言えばビールという印象がありますが、炭火で自分のペースで焼くなら、ゆっくりと日本酒を傾けて緩やかな時間を楽しむこともできますね。


メニュー

 

 特定の産地を一つに絞っている訳ではなく、近江牛に信州和牛、鹿児島黒牛、京都円波牛などを中心に色々とあります。近江牛が一番種類が多く、現地でもあまり見かけないホルモンなども部位毎に楽しめるのは嬉しいです。ブランド牛はホルモン部位の流通量が少ないので、お試しできるお店というのは有り難い。

 

 お持ち帰りのメニューもあるので、最後にはお土産を買っていく事が出来ます。お勧めは「ひらりの肉山椒そぼろ」と「ひらりのおかずラー油」です。特に後者が秀逸で、ごはんや豆腐に、葱と一緒に乗せると堪りません。食が進む。

 

 まとめ

 

 京都の焼肉屋は色々とありますが、複数のブランド牛を置いているお店というのは珍しいかと。そして何よりも隠れ家的で激戦区京都の割に入りやすいです。位置的に行列ができたりはしないので、するっと入れますね。そして、特筆すべき点はやはり近江牛のホルモンでしょう。安価で値段で流通量の少ない近江牛のホルモンを食べられるというのは珍しいです。地元滋賀でも近江牛の焼肉屋に行けばホルモンは近江牛ではありませんから。

 

 飯の後は近くに岬神社……土佐稲荷があるので参拝してみてはどうでしょう? 坂本竜馬なども土佐稲荷を詣でた事もあるらしいです。狐様は全国区の様です。

 

 

 

 

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