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七軒目    BAR あしはら

 

BAR A.ASHIHARA

住所   滋賀県守山市勝部1丁目19-18 堀井ビル301


電話   077-582-8807


アクセス  JR琵琶湖線 守山駅西口より徒歩2分


営業時間  20:00~03:00 LO 02:45


定休日   日曜


客席数   32席   禁煙席なし



 御店の外観。

 バーナビには、JR守山駅前の静かで落ち着いた雰囲気のお店ですと書いていますが、入り難い雰囲気ではありません。寧ろマスターが気さくで、客も気さく な方が多いので、静かで落ち着いているということはないです。和気藹々としています。バーが初めての人には入り易いと思いますよ。





 店内の様子。

 一緒に凄く美味しかったハムのソテーも写っていますね。腹減ってるから増量してと言うと、結構な量になって、かなり気前のいいマスターです。滋賀の バーって親しみやすいマスターが多いんですよね。京都だと、気さくに見えますが、どうも笑顔が作り物っぽくて、微妙に距離感を感じます。仕事だからと割り 切っているのかも知れませんね。特に激戦区の木屋町、先斗町辺りだと。滋賀のバーは、客よりマスターが楽しんでいるところが多い気がします。テキーラを脚 にカンガン飲まされてマスターが酔い潰れるバーとかもあります。夕飯を出してくれるところだと、大盛りと言うと今日炊いた御飯全部使って、後の客に注文 受けたら、隣の人の分けてもらって、とかもありますね。其々のバーに個性があって楽しいです。





 スイカのソルティ・ドッグ。

 ソルティ・ドッグというカクテル自体は有名で、 ウォッカとグレープフルーツジュースにレモンを添え、グラスの縁をレモンで濡らして食塩を付けて、スノースタイルにしたものです。バーごとに混ぜるウォッ カや其々の比率が違って個性が出るカクテルな気がします。何でも一部の外国では、違う名前らしく、バーで頼むと“塩づけの犬肉???”という顔をされるら しい。

 ちなみに語源は、甲板員を意味するイギリスのスラングらしく、甲板員が甲板の上で汗と塩だらけになって働く様子かららしいです。映画とかドラマで甲板清掃している人を見ると、いつもこのカクテルを思い出します。

 はい、というのが普通のソルティ・ドッグなのですが、これはグレープフルーツジュースの代わりに絞ったスイカを使っています。確かにスイカには塩が合う ので、このチョイスは合理的です。それなりに有名なレシピらしいのですが、実際に作っているところはそんなにないです。スイカ絞るの面倒臭いでしょうし。 マスターがヒィヒィ言いながらスイカを絞るのが面白くて、常連客が連続でオーダーしたりしていましたね。





 モヒート。

 夏の定番カクテルです。ラムベースのロングドリンクですが、ミントを使用しているので、涼しくなれる一品です。ヘミングウェイも好きな一品だったそう で、バハナのボデギータで出してくれるものが一番好きだったそうな。しかも、普通なら少し叩いて入れるだけで、それでも結構、ミントが感じられるのです が、ヘミングウェイはミントの葉を磨り潰すそうです、どんだけミントが好きなんでしょうか。私はシェリー酒をベースにしたレブヒートが好きなんですが。





 ドラゴンフルーツのカクテル。

 正式名称はなく、このバーのオリジナルだと思います。自分は、そもそもドラゴンフルーツという謎の果実を食べた事がなかったので、新鮮な気分でした。新 鮮な果実を使ったカクテルを押しているバーなので、果肉も入っていて、凄くフレッシュでした。キュウイみたいな味でしたが、この黒ゴマの様な種が喉に当 たって、新鮮な印象を受けます。名前がないので、いっそレッドキュラソーで赤く色づけして、燃えよドラゴンという名前にすべきだと思うんですよ。





 エル・ディアブロ。

 テキーラベースのカクテルです。カシスとシンジャー・エールで割るので、テキーラを全面に押し出したバーは有りません。たまにゴールドを使って作るバー もありますね。ぶっちゃけるとそちらの方が好きです。エル・ディアブロというのは悪魔って意味ですが、カシスの赤が毒々しいから付けられた名前なんですか ね? 名前のわりに飲み口は爽やかで、アルコール度数も低いです。私は良く一杯目にこれを飲んでいます。





 桃のカクテル。

 スパークリングワインで作ったもので、確かに桃の味がしますが、他の果実のカクテルと比べると個性に欠けていました。桃ってそもそもそんなに味が濃くな いですし、色もほとんどないので、カクテルには使い易いのかも知れませんね。他は何と言うか作るのに困りそうなほどに、個性的な果実でしたので。





 枇杷のカクテル。

 枇杷なんて何年も食べていなかったので久し振りですが、こうして久し振りに口にしてみると美味しいです。色が本当に鮮やかで、キュラソーなどでの色付け をしていない様にはとても思えません。これは確かジンベースだった気がしますが、爽やかな印象を受けました。バーって基本的には暗いので、色鮮やかなカク テルも少し、暗い色に見えるのですが、写真に収めて翌日にPCでみるとその色合いに驚く事が良くあります。





 サクランボのカクテル。

 ジャックダニエルというテネシーウィスキーが入っていた様な。果肉もたくさんはいっているので、濃厚なサクランボの香りに、ジャックダニエルの風味が続 くので、後味がカクテルの中でもしっかりしている様に感じました。意外な組み合わせで驚きましたが、これが不思議と合います。こういったカクテルを考える 人は、何を思って組み合わせを考えているのか。失敗作などは悲惨な事になるんですかね?





 スモモのカクテル。

 酸っぱい。その一言に尽きます。素材本来の味を生かすということですが、まさに本来の味で、凄まじい酸っぱさです。ビタミンが補給できそうな感じです が、ここまでくるとフレッシュジュースの領域です。そもそもスモモって、基本的に食べる事がないので、こんな酸っぱいとは思いませんでした。





 シーブリーズ。

 ウオッカベースで、クランベリージュースとグレープフルーツジュースが入ったものです。しかも、これはウオッカのフィンランディアのクランベリーフレー バーのものを使った一品です。といってもクランベリージュースかクランベリーフレーバーなのか、私には分からなかったです。フレーバーのお酒は一度、その ままで飲んでみないと区別できない。





 ボンド・マティーニ。

 007 カジノ・ロワイヤルに出てきたカクテルです。一躍脚光を浴びてしまい、作るのに必要なリレ・ブランが品薄だったとか。そう言えば、ボンド・マティーニとい うのは、調べてみたのですが、どうも一つはないようです。ボンドは作中で、これ以外にさまざまなマティーニを注文しているかららしいです。そう言えば、あ の有名な台詞である“ウォッカ・マティーニをステアせずにシェィクで”というのもありましたし、考えてみれば納得です。あまり、リレ・ブランを置いている バーがないそうなので、注文するのは難しいかも知れません。でも、有名な台詞をバーで言う勇気はないですよね。





ウィスキーなど。



 もちろんこれは、ごく一部です。旧ボトルや、昔の遊び心溢れる一本もあります。マスターの趣味で集めているのか、他のバーとはラインナップの方向性が些か違うので、見ているだけでも楽しめます。





 タリスカー二五年

 今のところ一番大好きなウィスキーです。高いけど。三〇を以前に買った事があるのですが、此方は味がぼけていて、気分的に損をしました。ウィスキーは、 寝かせる事によって薫りが伸びるものもあれば、風味が損なわれるものもあるので、一概に年数を重ねる事が良いとは限りません。というか5年の違いでここま での差が出るのかと、鬱になります。300本くらいしか出回らなかったとのことで、これを飲めるバーは少ないと思います。





 アードベッグ?

 いえ、アードボッグです。中国製のパチモンじゃないですよ。以前は、ガリレオとか格好付けた名前だったので、次はボケてみたみたいなノリなんでしょうか ね。もしくは、名前で格好付けすぎて、叩かれたんでしょうか? シェリーとバーボンの樽で熟成させたものを混ぜたものらしく、舌が痺れる強めのアルコール に、きつい潮風の臭いのようなフレーバーが鼻を抜け、少し甘い後味が舌に残ります。結構、余韻が長い気がしました。一〇年熟成と言っていた様な気がするんですが。





 噂のグラッパ。

 マスターが大絶賛していた一本。ウィスキーが好きな私には、どうなのかなぁ、という感じだったのですが、マスターが言うには、他のグラッパは好きになれ んが、これは別、だそうです。まぁ、元々、グラッパって透明みたいのやつが多いですし、ここまで色が濃いだけあって香り豊かであることは確かでした。私 は、刺激物が大好きな人なので、こういったのはダンディなおじ様方に御任せします。





 生ハム。

 バーのつまみは総じて美味しいのですが、これは今まで食べた生ハムの中で一番でした。一緒に付いているキウイを撒いて食べると酸味が程よく、出て生ハムの塩辛さを軽減してくれます。





 ガーリックトースト。

 ニンニクをすりおろしているらしく、ニンニクの風味が爆発しています。何故か、ガーリックトーストって、バーに置いている確率が高いですよね。ビーフジャーキーと双璧を成している様な感じでしょうか?


 これは一緒にアヒージョも乗っています。時折、変わったメニューが入ったりするのです。





 厚切りベーコン。

 思ったより柔らかくナイフで簡単に切れました。市販のベーコンとはえらい違いです。一人で食べるには結構な量なので、お腹が空いている時か、複数人で行った時じゃないと注文できないと思います。ですが、厚めなものの容易にナイフで切れるので、ビールとセットだと意外と進みますね。溢れる肉汁とビールの組み合わせがたまらんのです。




 グルソー。

 いや、正式名称が分からないので、グルグルソーセージということで、略してグルソーと呼んでいます。何かグルグルしています。やはり、ソーセージには ビールが合う訳ですが、これも結構な量で、ビールと合わせると腹が膨れます。ちなみに私はマスタードよりも塩で食べるのが好きです。





 カクテルなど



 旬の果物を使ったり、フローズンにしたりといろいろな方向性のものが出てきますね。ちなみに二番目の緑色に見えるカクテルは琵琶湖ハイボールというもので、ハイボールのソーダを使うところをサイダーに置き換えて、ブルーキュラソーで色づけしたものです。サイダーなので甘めですが、女性には勧めやすい気がします。写真を撮ると琵琶湖南部の汚い緑色っぽい水に……





 試飲会。

 一度、呼ばれたんですが水曜日に開催されるという事で、断念しました。しかし、色んな面白い酒があったそうで、行けばよかったと後悔しています。こう いった業界の人が集まるそうで、こういった場所でしか買えない酒も多いようです。競艇に行っているどころではないですね。





 自分も珍味を持って訪れます。上記はまともなものですが、ジンギスカンキャラメルや葱飴、佐野ラーメン風味飴などを持ち込んで騒動の種になったりもしています。周囲の皆さんにも絶望のお裾分けです。




 まとめ。

 良く行くバーの一つです。ちっさい若造がウィスキー飲んでたらそれは、高確率で私だと思います。もし、いなくてもマスターに“軍曹、いないの”と聞けば話が通ると思います。主に金曜日や土曜日辺りに良く出没するので、もしかすると会えるかもしれません。

 

 


 

 

 

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